A.佐渡へは佐渡汽船による航路を使って渡ります。ジェットフォイルとフェリーが運航する新潟-両津航路、フェリーが運航する直江津-小木航路、高速船が運航する寺泊-赤泊航路の3つです。フェリーは完成車状態で自転車を運べますが、ジェットフォイルと高速船は自転車を輪行袋に収納しなければ運べません。両津港から会場までは14kmほどなので自走でも行けますが、自転車輸送トラックとシャトルバスの利用(予約制)もできます。宅配サービスを利用すれば現地で受け取りが可能なので、自転車を自分で運ばずにすみます。首都圏発のバスツアーも催行されます。
A.有名なZ坂は最大勾配が11%あるので、なかなか走り応えがあります。いちばんツラい坂は、Aコースの175km過ぎ、素浜エイドステーションの手前にある、右写真の通称15%坂です(編集部全員一致で!)。コンパクトドライブ仕様にするなど軽いギヤを用意して、マイペースで上るのがベスト。はじき野ASから両津BS間の海岸線で強い向かい風が吹くと、ここも難所となります。
A.長距離の走行経験がない場合は、事前にある程度の距離を走れる自信をつけておくことをオススメします。たとえば100kmならまず50kmを走り、少しずつ距離を伸ばしていきます。「これくらいで補給しよう、これくらいで休憩しよう」という判断ができるようになれば、距離に対する不安が消えて100km完走も難しくありません。
A.5月なので平均気温は15℃ほど。昨年はスタート時に薄手のウインドブレーカー、そして半ソデ&ショーツ+アーム&レッグカバーがあれば快適に走れました。過去には、雨が降ってリタイアする人が続出した年も。雨具と防寒具を現地まで持っていき、当日の天候によって何を携行するか判断するのがいいでしょう。ちなみに、コース上には20カ所以上のトンネルがあります。安全に走るためにはヘッド&テールライトの装着は必須です。
A.自分が無理なく走れるペースと同じくらいの速度で走っている人を見つけて、話しかけて仲間になりましょう。仲間ができれば先頭交代をして風の抵抗を減らすことができ、体力を温存できます。ただし走行中、話に夢中になりすぎて並走してしまうのはNG。また、Aコースへのエントリーには、過去5年以内の100km以上の大会完走実績の申告が必要なのでご注意を!
A.スタート&フィニッシュ地点近くに専用のデポがあり、そこで自転車を受け取って組み立てることができます。空になった段ボール箱やケースはここで預かってもらえます。イベント終了後には会場から自転車を発送することもできます。輪行がイヤ! という人にはぜひ利用を。
[ギヤ比]
ロングライドを楽に走るための基礎”軽いギヤでくるくる回す”こと。脚への負荷を低くする=筋肉の疲労の軽減につながるからだ。もちろん上り坂でも無理は禁物(210kmコースでは勾配が10%を超える坂は4つある)。
坂によってはいちばん軽いギヤでも重いと感じることのある人は、クランクセットをコンパクトドライブ(インナー34T)に、リヤのローギヤを28Tなどに交換するといいだろう。
フロントのインナーギヤ×リヤのローギヤ | |||
---|---|---|---|
フロントのインナー | リヤのロー | ギヤ比 | ![]() |
39T | 25T | 1.56 | |
39T | 28T | 1.39 | |
34T | 25T | 1.36 | |
34T | 28T |
1.21 |
[タイヤ]
タイヤは快適性を大きく左右するパーツ。サーキットレースに参加する場合は、21~23Cなどの細いタイヤがいいが、ロングライドの場合25Cなどの太めのタイヤがオススメだ。佐渡ロングライドで走る道は普段クルマが走る一般道。舗装が荒れたところもあるので、必要なのは空気容量の大きさと高い快適性。軽さよりもパンクのトラブルを避けるために耐パンク性の高いタイヤがいい。
[バーテープ]
ロングライドを走ったあとに「手が痛い!」という人は多い。そのストレスを軽減するには、クッション性の高いバーテープがいい。バーテープにはいろいろな素材のものがあるが、商品を店頭で押してみてクッション性の高いものを選ぼう。クッション性だけでは満足できない場合は、振動を吸収するバージェルをバーテープの下に取り付けたり、パッドの付いたグローブを使用する方法も。
[雨具&防寒具]
佐渡は天候が変わりやすい。完走できるかどうかの大きな要因の1つが体温調整。5月の佐渡の平均気温は16℃ほどと快適だが、雨で濡れてしまうと体温を維持するために体力を使ってしまうので雨具は必携。また、晴天でもスタート時の早朝6時ころは気温が低いので、ウインドブレーカーは用意しておきたい。走行中の体温変化に合わせて着脱することで、ムダな体力の消耗を抑えることができる。当日の天候によってどちらを携行するか判断しよう。
[アイウエア]
目を保護することも体力温存のために重要な要素。風や紫外線から目を保護することで疲労は軽減できる。210kmのコース上には、20カ所以上のトンネルがあるので、明るさの変化に対応するためにもレンズカラーは薄いイエローやピンク、クリアなどがオススメだ。
[ボトル&補給食]
210kmのコースには6カ所のエイドステーション、1カ所の弁当ステーションがあるが、その間に店がなく補給ができないこともある。ハンガーノック状態にならないようにボトル2本、補給食は携行しよう。
[携帯工具&パンク修理キット]
パンクなどのトラブルが起こったときに自力で対処できるかどうかは完走を左右するポイント。自分で修理できる技術を身につけておきたい。修理キットや工具はコンパクトで、作業がしやすいものを用意し、修理練習を事前に行なっておくこと。
目標タイムを設定したため、エイドステーションを飛ばすこともあった。そんなとき、小さめのエナジージェルをジャージのポケットに忍ばせておくと走りながらエネルギー補給できて安心だ。ゴミは捨てないようにね!
★完走のために気をつけたこと
脚つりの予防に薬という手も! いつもZ坂で脚がつってしまうので、走る前に「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」という漢方薬を飲んだ。脚のけいれんを防いでくれるのだが、これが効く(俺には)。長丁場なので途中でも服用。脚はつらなかった!
普段はあまり長距離を走らないので、フロントに53×39T
を使用。スプロケットのローは25T仕様だったが、距離と坂
の多さからスプロケットを28Tに変更。これが正解だった。後半の最大勾配15%の坂は25Tでは上れなかっただろう。
★完走のために気をつけたこと
気をつけてほしいこと!は、前日の睡眠時間をしっかりと取ること。当日80kmほど走ったところで急に疲労感が大きくなっていった。補給はしっかりしていたし、ペースもいつもどおりだったのになぜ? って思ったけど、原因は睡眠時間不足だと思う。
佐渡は天候に応じてかなり装備が変わる。晴天時は夏用ウエア+アームカバー程度で十分。雨天時は降り具合に応じて、ウインドブレーカーか本格的な雨具か、どちらかを選ぶ必要がある。僕のときはどしゃぶりだった(泣)。
★完走のために気をつけたこと
朝から雨だったので、体を冷やさないようにレッグウォーマーも使用。100km地点の両津弁当ステーションまではできるだけ休憩時間を短くして、1時間以上のアドバンテージを持って後半に臨もう。制限時間に追われて走るのは本当につらい……。