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■脚力に合わせて選べるコース
"佐渡210km完走"。ロングライド経験を説明するときによく使われる言葉だ。そんなロングライドの指標にもされる佐渡ロングライドは、今年で8回目の開催となる。
佐渡島のダイナミックな海と山が織り成す美しい風景。それを存分に味わいながら、アップダウンのある変化に富んだ道を楽しめるコースは、距離別に4つ設定され
ている。210kmのAコース、130kmのBコース、100kmのCコース、そして40kmのDコースの4つだ。自分の脚力に合わせてコ
ースを選べばいいのだが、オススメしたいのは、最も参加者の多い
佐渡島を一周するAコースだ。
基本は平坦路だが、そこはただでは済まない海岸線の道。ジワジワと脚に来るアップダウンも十分にある。そして、立ちはだかる激坂たち! その難所を乗り越えると目の前に広がる佐渡でしか見ることのできない美しい海や山の風景は、深い感動を与えてくれることだろう。また、フィニッシュ直前でMCがかけてくれる「お帰りぃ~」の暖かい声援は一人ひとりの名前付き。これは210kmを走
って疲れた心と体にうれしい
!!

初めての参加を考えている人は、
210kmという距離にひるんでし
まうかもしれない。だが心配は無用。例年、210kmコースの完走率は高く、昨年も93・6%だった。リタイアした人の原因の多くは、休憩を多く取りすぎたりしてペース配分がうまくいかず、制限時間をオーバーしてしまったことによる。つまり、完走するにはどれくらいのペースで走ればいいのかをつねに頭に入れながら走れば、初めての参加でも210km完走はけっして難しくはないのだ。
"佐渡210km完走"。その醍醐味と感動をまだ体験したことのない人は、ぜひ今年それを味わってほしい。きっとこの先の自転車人生が変わってくるはずだ!
●これがウワサの難所!

▲A~Cコースの参加者たちが最初に迎える難関、通称Z坂。最大勾配は11%だが、距離はそれほどでもないのであわてずに上ろう。眼下に開ける海は格別だ
▼Z坂に続いて訪れる難所の大野亀坂。最大勾配10%だが、自分のペースを守ってクリアしたい。Z坂とはガラッと変わった風景は感動のひと言
●走るだけが佐渡の楽しみじゃない!

▲豪華賞品の当たる前夜祭にも参加しよう。早めに会場に行って、出展社のブースで掘り出し物を探したり、出店で一杯なんていうのも楽しいぞ!
▼佐渡ロングライドでの楽しみのひとつにあるのが、ASで振る舞われる補給食だ。その充実ぶりは、これがホントに補給食?と思ってしまうほど


本誌・江GO !
編集部一の練習不足のため、いつまでたっても貧脚から脱出できず。昨年、佐渡初参加で210kmをなんとか完走!

佐渡210㎞完走の最重要ポイントは、ペース配分。各AS(エイドステーション)に設けられた通過制限時刻との差を確認しながら、余裕を持って走ろう。
コース前半の目安は、100km地点の両津BS(弁当ステーション)を通過制限時刻の1時間前の11時に出発できるようにすること。昼食の時間も含め両津BSで30分休憩するとすれば、単純計算で平均時速20kmで走る必要がある。
でも、前半は平坦基調の道なのでそれほどムリなく走れるはず。Z坂、大野亀坂など10%を超える勾配の上りもあるが、あせらずにゆっくりと走ればクリアすることも苦じゃない。とにかく"頑張らない"ことが大切だ。
後半は前半よりも距離が10km長いうえに、疲れもたまってつらくなる。なるべくムダの少ない効率のいい走りをして、後半に向けて脚を残しておきたい。最後の素浜ASを16時に出発するようにすれば、残り30kmを平均時速15kmで走ればいい計算になる。これで完走がグッと近づいてくるはずだ。

なるべく休憩時間を少なくして、平均速度を上げるようにしたい。ASではトイレと補給を素早く済ませよう。
僕、江GO!はとにかく完走することを目標としていたため、コース前半は立ち寄らずに通過してしまったASもあった。両津BSでは30分くらいの休憩を取って、昼食をしっかりと食べるようにしよう。
なお、ASのトイレは混み合っていることが多いので、コース途中に設けられた臨時トイレをぜひ活用したい。時間のロスを少なくできる。

有名なZ坂、大野亀坂のほか10%前後の勾配の上りがいくつかある佐渡。上りは"頑張らない"ように走るのがコツだ。とにかくいちばん軽いギヤで、ひたすらペダルをクルクルと回して上ろう。上りで頑張っても平均速度はたいして上がらないし、疲れるだけ。180km地点の素浜ASを過ぎてすぐに、最後の難所である厳しい上りが待っている。そこまで脚を残しておくように。もしどうしても頑張りたいのなら、平地で頑張るようにしよう。

210kmもの長距離、脚がつりそうになるピンチもあることだろう。そんなときは、当たり前だが水分を取ってしのごう。
それでもどうにもならない場合には、僕は積極的に止まって休憩した。完走がなによりの目標なら、「足を着かないで走る!」なんて言ってられないもんね。

天候が変わりやすい佐渡。しかも、5月の佐渡は天候によって気温がかなり違ってくる。体力をムダに消耗しないためにも、体温調節は重要だ。昨年のように晴れれば、日中は18℃くらいになって暖かいのだが、210kmコースは早朝5時半からスタートが始まるため気温が低く、肌寒い。半ソデジャージにアンダーウエア、アーム&レッグウォーマーを組み合わせて、ウインドブレーカーかウインドベストを用意しよう。雨ならばレインウエア&シューズカバーを準備。また、風や紫外線から目を守るアイウエアも忘れないように。疲労度が変わってくるぞ。

6カ所のAS、1カ
所のBSには充実の補給食が用意され、コース上にある店でも補給食を購入できる。だが、ペース配分を考えてASに立ち寄らずに通過したり、店のない区間があったりもするので、補給食とボトル2本を用意したい。
僕は補給食にエナジージェルとどら焼き(←これは個人的にオススメ!)、ボトルは1本に水、もう1本にはスポーツドリンクを入れて持っていった。
ほかには、トラブル対策として、携帯工具&ポンプ、パンク修理キット、予備チューブ2本を装備するべし!

脚力に自信がない人はとくにそうだが、軽いギヤでペダルをクルクルと回して走るのが、佐渡完走へのキーポイント。リヤのローギヤを28Tや30Tに交換したい。フロントも、できれば50×34Tあたりのコンパクトクランクを装着して、少しでも楽に走れるようにしたいところだ。ちなみに、僕はフロント53×39T、リヤ12-25Tで走って大後悔! すみません、佐渡をナメてました、貧脚のくせに……。