
小佐渡東側の海岸線を進む。参加者が多いこともあり、随所にトレインが形成されていた
多田AS(140km地点)までは向かい風が続き、思うように進むことができない。それでも、地元の人に言わせれば「この程度はそよ風」だそうだ。ちなみに、去年はもっと向かい風が強かったらしい。今年の参加で本当によかった……。
スタートから162km地点にある小木ASに着くころには、さすがに疲れた表情を見せる参加者も多かった。そのせいか、アップルスポーツカレッジの皆さんが毎年参加者向けに行ってくれている無料ストレッチサービスには行列ができるほどの大盛況ぶりだった。

多田トンネルを進む参加者。210kmのうちトンネルは計9km以上。ライトの装備は必須だ
小木ASを出ると今大会いちばんの難所「激坂エリア」が続く。160km以上走ったあとでこの仕打ち(?)、Aコースの参加者にとって最後に残された極めて過酷なエリアだ。しかし、ここまでペースの合う人といっしょに走れたことも幸いし、次の素浜ASに設定されている足切り制限時間(午後4時30分)までにはまだ十分余裕がある。この時点で時刻は午後2時30分。

浜を前につかの間の休息。 脚も体力も限界ギリギリ。ここまで来ればあとはもう自分の気持ちとの闘いだ!
「激坂エリア」の1つめの坂を上りきるころ、どこからともなく「ドンドドドンドドドン」と太鼓を打つ音が聞こえてきた。体に響くその太鼓のリズムにのってテンポよくペダルを回す。坂を上りきると、佐渡太鼓体験交流館が見えてきた。沿道では大勢の人たちが参加者に向けて太鼓を使ってエールを送ってくれていた。体は疲労しているが太鼓の鼓動に勇気づけられ先に進む!
快調に下り、しばらく進むと最後のエイドステーション、素浜AS(180km地点)が見えてきた。ゴールまであと30km。時間的にも距離的にも、ここまで来るとゴールが見えてきた。素浜ASでしばし休憩したのち、提供された絶品のおにぎりをほお張り、コースに戻る。

素浜ASを過ぎ、最後の難所に挑む参加者たち。振り返れば絶景が広がっていますよ!(そんな余裕はない?)
午後4時20分、素浜ASを出発。あとはフィニッシュまで一直線! 最後は追い風も味方し、時速35km巡航でぐいぐい距離を稼いでいく。
午後5時10分、半日前にスタートした河原田小学校前で、大会名物のDJタネさんによる「おかえり〜!」コールを受けてついにフィニッシュ!
会場内では完走証を手にした多くの参加者が口々に、「今年は走りやすくて楽しかった」、「また来年も参加します!」などうれしそうに話していた。
来年、自分も……、やっぱり210kmかな!
午後5時過ぎ、 夕日を浴びながら多くの参加者が続々とゴール!
DJタネさんの「おかえり~」コールが大会の最後を盛り上げてくれる
Aコースに挑戦した石倉さんご一家。210kmを完走した颯人君と楓太君はなんと11歳と9歳。楓太君は「Z坂が楽しかった」と9歳とは思えない感想を話してくれた。今後が楽しみ!