高低表

開催日●2015年5月17日(日)
開催地●新潟県佐渡市
主催●佐渡市スポーツ振興財団/佐渡市/佐渡観光協会/スポーツニッポン新聞社/佐渡汽船
共催●佐渡ロングライドクラブ 特別協力:JKA
text●サイクルスポーツ誌・西村裕貴 photo●山内潤也

コースマップ
早朝なのにスタート地点には人、人、人の波!

午前5時過ぎ。スタート地点では参加者が緊張の面持ちで出走のときを待っていた

競輪補助事業の一環として、毎年5月に開催されている佐渡ロングライド210。大会前日に現地入りしたサイクルスポーツ編集部・取材班は、3,000人以上のサイクリストが集結した佐渡の熱気に、ただただ圧倒されていた。
大会当日は朝3時に起床。眠い目をこすりながら、集合場所の佐渡中央会館に向かう。会場に着くとそこは、こんな時間にもかかわらず全国から集まった老若男女のロングライド愛好家で埋め尽くされていた。会場への道中では、多くの参加者が自転車で宿泊先から自走で向かう様子が見られた。


前夜祭では、抽選会が行なわれ、豪華賞品を前に参加者が大いに盛り上がっていた
午前5時30分、河原田小学校前を3,244人のサイクリストがスタートしていく。ロングライドのスタートは参加者のレベル、コース別に分かれたウエーブスタートだ。島一周210kmに挑戦するAコースは自己申告で速い人からA1、A2、A3に分かれてスタート。続いて島の北半分、大佐渡を回ってスタート地点まで戻ってくるBコース(130km)、大佐渡を回り両津BSをゴールとするCコース(100km)の各参加者が出発。最後に20km地点にある相川AS(エイドステーション)で折り返してくるDコース(40km)が出発した。

佐渡ロングライドの最初の難所であるZ坂。
遠くから見るとその名称に納得

スタートしてしばらくは海岸線を進む。走り始めたばかりということもあり、ウインドブレーカーを羽織っていても若干肌寒い。 スタートから20km地点の相川AS、40km地点の入崎ASを過ぎると、最初の難所「Z坂」に差しかかる(58km地点)。


大野亀周辺は佐渡のハイライト。多くの参加者が景色を堪能しながら走行していた
見上げる山肌にアルファベッドのZ字状に上りが続いている。 続く大野坂に差しかかると、参加者から「すごい!」「美しい!」という声が上がっていた。標高167mの一枚岩が海に突き出している「大野亀」周辺の風景はまさに圧巻。佐渡のハイライトともいえる見事な絶景に思わず立ち止まり写真を撮る参加者が続出。

大野亀周辺では、休憩も兼ねて記念撮影をする参加者が続出。「ハイ、チーズ!」
「Z坂」、「大野亀」周辺を過ぎると、次のエイドステーションまでは比較的平坦な道が続く。折からの追い風も味方して、残りの大佐渡エリアを快走。
午前10時には、スタートから100km地点にある両津BS(弁当ステーション)に到着。自分が目標としていた時刻より30分ほど早く着くことができた。まずまずのペースだ。この両津BSで参加者のために昼食が用意されているが、自分もちょっと早めのランチと休憩をとることに。

両津BSには続々とサイクリストが到着するが、ここがゴールとなる100kmコースの参加者も含めて、一緒に参加した仲間や親しくなった同志が集まり、これまで走ってきたコース、そしてこれからのルートを話題にするなどして、それぞれ思い思いに楽しいランチタイムを過ごしていた。また、この両津BSの会場となっている広い「おんでこドーム」では参加者のために佐渡の伝統芸能も披露されており、休憩中のサイクリストの目を楽しませてくれていた。ありがとうございました!

新潟市から参加のCharico(チャリコ)のみなさん。この大会には何度も参加

神奈川から参加の2人。「初参加なりに佐渡を楽しみたいです」(富井さん・左)

昼食どきにお邪魔しま〜す! 両津BSでは何度もおかわりする参加者も
佐渡ロングライドの魅力

なんと2人とも第1回大会からすべて210kmコースを完走。地元佐渡市から参加の橘和弘さん(写真左)は、「信号が少なく、路面状況もいいので走りやすい」。新潟県阿賀野市から来た前田常雄 さん(写真右)は「佐渡は自然がいい。海岸線を走っていると、その素朴な風景に胸を打たれます。オススメスポットは小木ですね」とそれぞれに佐渡の魅力を語ってくれた
佐渡ロングライドの魅力

第1回大会から1,000人を超える参加者があり、210kmコースのエントリーは575人、完走率は84%。このころは朝6時にスタート。制限時間は12時間と現在よりやや厳しい設定。初回、2回目、4回目の各大会は悪天候が続き、当初の佐渡ロングライドは「雨の大会」というイメージがあった
佐渡ロングライドの魅力

佐渡市内から多くの関係者 やボランティアがこの日のためにお手伝いに参加している。 10年間欠かさずボランティアとしてかかわっている中川和美さんは「全国から来る参加 者は、あいさつもしてくれるしマナーもいい。毎年気合い入れてみなさんにちょっとでもいいものを提供したいと思ってます」と地物のわかめやすり身を使ったみそ汁を手に、にっこりと語ってくれた

国内最大級の参加人数に加え、リピーターが多いのも佐渡ロングライドの特徴だ。

ここでは実際にCS誌・西村が感じた佐渡ロングライドの魅力を取り上げてみた!

島の各所で出会った参加者に声援を送る地元の方々。10年目ということもあり、佐渡ロングライドは地元でもおなじみのイベントとなっている
ヤマト便
ヤマト運輸では、自転車の事前発送サービスを実施している。筆者もこのサービスを利用したおかげで身軽に佐渡へ行くことができた。ぜひ使ってみて!
前夜祭では、メーカー各社がブースを出展。
今回アンカー・RL8に乗った筆者もブリヂストンブースで最終調整。
スコットやマヴィックからはメカニックカーが登場
エイドステーション

オレンジ、バナナなど、エイドステーションには食べ切れないほどの補給食が用意されている。
とくに佐渡産のコシヒカリを使ったおにぎりは絶品!
ストレッチ新潟・アップルスポーツカレッジでは毎年参加者向けに無料ストレッチサービスを実施してくれている。コース後半の小木ASではサービスを待つ人の長~い列ができていた
トイレ
この大会の隠れた魅力といっていいのが、トイレの設定場所が多いところ。エイドステーション以外でも、地元施設の協力を得て参加者のために開放されているトイレを気軽に利用できる
佐渡ロングライドの隠れた魅力、それは……
両津BSを出ると次のエイドステーションは40km先の多田ASとなるが、両津BSのトイレが混雑していたため、筆者はトイレを我慢して出発した。次のASが40kmも先なのに、なぜそうしたかというと……。じつは、そこに佐渡ロングライドの隠れた(?)魅力がある。佐渡ロングライドはコース上に非常に多くのトイレが設定されているのだ。

ほかのロングライドイベントでは、エイドステーションにしかトイレの用意がない大会がほとんどだが、佐渡では地元の施設がイベントのためにトイレを開放してくれているのだ。コース上にある「トイレ」ののぼりがその目印。開放されているトイレは30~40カ所ほどあった。

ロングライドイベントで時間のロスとなるのがトイレ待ち。先を急ぎたいのにトイレで待たされるのは……。しかし、佐渡ロングライドでは、もしエイドステーションのトイレが混み合っていたら無理にそこで用を足さなくても、「すぐにトイレがあるだろう」という安心感があるので、走りを楽しむことに集中できる。参加者目線でそんな細かいところにも気配りされているのは、この大会の魅力のひとつだ。
後半へ続く▶
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